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■テオシナリオ 続編
ユウタから携帯を受け取る。
自分が選ばれるとは思っていなかったので、ジョシュアは少し驚いた。
「##NAME1##…本当に、俺でいいの?」
肯定の返事。やっと驚きが嬉しさに変わる。自然と笑顔になっていた。
「ありがとう、##NAME1##。あっ…」
ジョシュアは友人達の視線に気付く。中でも冷たい視線とぶつかる。
「提案者が勝つゲームって、面白くない」
「ご、ごめんね、アンリ」
「まあまあ。恨みっこなしってルールじゃないですか。気持ちは解りますけど。
あ、僕! プレイングカード持って来ましたので、負け組は負け組で仲良く遊びません?」
アルフレッドが嫌そうに呻く。
「負け組言うな」
「じゃあ、何して遊ぼっか?」
苦笑しつつ、ハルヤは話を前に進めた。
状況的に小道具を用いて遊ぶ方が良さそうだと思ったからだ。
「賭けポーカーならやってあげても良いけれど?」
氷のギャンブラーが命令に近い提案をする。
「良いですね! 何を賭けましょうか?」
ユウタは、えー、と不満を言う。
「怒ってるアンリとカードゲームなんかしたくないよー。絶対勝てないもん」
「ねえ。僕が一度でも君に負けたことがあるような言い方、止めてくれる?」
「やっぱ、めちゃくちゃ怒ってるー」
泣き顔になったユウタを見て、ジョシュアは少し笑ってしまった。
この場はシルヴァンがなんとかしてくれそうなので、
彼女を部屋に連れて行こうとした。
「あっ、おい、ジョシュア!」
アルフレッドは真剣な目で訴えた。
「テオのこと、彼女に必ず言ってくれよ」
「…そう、だね。解ったよ、レッド」
ギリシャ旅行のホテルはメネシス家にあるゲストルーム。
ウーティス寮の部屋の二倍近い広さ。
客人の多い家だから宿泊機能も兼ね備えているそうだ。
この家に入った時、広大な敷地、擦れ違う使用人の多さに、
ジョシュアは少し気が重くなった。雰囲気がランベール館に似ていたのだ。
父の死後、5歳から13歳になるまで暮らした、
母方の生家。グラント直系のその家は、
親戚――と言っても見知らぬ人ばかり――を集めたパーティが多かった。
母の兄で家長のネイサン・グラントを始め、誰もが親切に接してくれた。
けれど、常に自分は疎まれているという感覚は拭い取れなかった。
血筋では次の家長は自分になる。それを誰も望んでいない。そんな気がした。
愛情深い両親に育てられたせいか、
彼等を失って急に、自分の周りが寒々しく感じられた。
自分を抱き留めてくれる人はいなかったし、
その時には既に、素直に甘えられる年齢でもなかった。
長い間多くの人に囲まれながら、自分はずっと一人だった。
けれど、今は違う。
貴女が居る。
声を聞くだけで。貴女のことを考えるだけで。
貴女に優しく包まれているようで。
やっぱり、好きなんだ、と感じていた。
ベッドの上に座り、壁に背を預ける。
右手に持った携帯。貴女が俺の傍に居る。
「俺、みんなには悪いことをしてしまったね」
貴女を前にすると、不思議なほど優しい気持ちになっている。
「だけど、貴女が俺の名前を呼んでくれて嬉しかった。ありがとう」
彼女に礼を言うと、先程友達と交わした約束について話し始めた。
「レッドに頼まれたこと、先に伝えるよ」
片膝を少し立てる。左腕を乗せる。
「テオのこと、なんだけど。実は、彼には、婚約者が居るんだ。
相手は資産家の令嬢。メネシスの事業展開に必要な家だそうだ。
だから、レッドは君のこと、心配してたんだよ。
もし、万が一にでも、貴女とテオが惹かれ合ってしまったら、
二人とも苦しむことになるから」
ジョシュアが目を伏せる。ユウタの姉は、あの、と声を掛けた。
→学生時代のテオさんについて聞いても良いですか?
→ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね?
→大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。
○学生時代のテオさんについて聞いても良いですか?
学生時代のテオさんについて聞いても良いですか? と姉は言った。
「テオはさっき君が見た通りの人だよ。学生時代と変わってない。
すごく人気者でね、華やかな人だなって思ってたよ。
思ったより元気そうで良かったよ。
でも、顔立ちが大人っぽくなってたな、肖像画より。
生徒代表室に歴代の生徒代表の絵があるからね」
壁一面に飾られた肖像画。中で一番新しい絵が前年度の代表テオだった。
彼女に生徒代表室から電話する時、
テオの温かな視線に罪悪感を覚えていた時もあった。
今ではあまり気にならなくなった。
貴女の声を聞いている時は、貴女のことしか考えられなくなったから。
生徒代表室に居る時だけではない。
気が付くと貴女のことを想って、いつも幸せな気持ちになる。
「俺、そろそろみんなのところに戻るよ。学院に帰ったらまた電話するね。それじゃ」
○ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね?
ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね? と姉は聞いた。
「うん。本人達の意思ではなく、周囲が決めた相手がね。
父と母は結ばれたから良かったけど、二人とも早くに亡くなってしまった。
無謀な結婚をしたから天罰が下ったんだって書かれたこともあったよ。
あ、俺はその記事を信じたわけじゃないから、心配しないで。
父と母は駆け落ちしたこと、後悔していないと思うんだ。
二人が歌っている姿は、本当に、幸福そのものだったから」
当時の光景が目に浮かぶ。幼い記憶の中で最もあたたかいものだった。
「あ、すまない。もう行かなくちゃ。アンリが荒稼ぎしてないか心配だし」
ジョシュアはクスクスと笑う。
先程ジョシュア以外のメンバーは、みんなで賭けポーカーをすると言っていた。
アンリさんはそんなに強いんですか、と姉は聞いてみた。ジョシュアは頷く。
「ああ。強いよ? ポーカーフェイスはお手の物だし。
強い手札がないのに、わざと笑ったりして、巧みに相手を誘導してくる。
アンリとプレイしていると、本当にぞくっとして面白いんだ。
俺は時々しか勝てないけど、君なら勝てるかもね?
いつかゲームしてみて欲しいな。それじゃ、行ってくるよ。またね」
○大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。
大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。と姉は言った
ジョシュアは、えっ、と言って目を大きくする。嬉しそうに微笑した。
「ありがとう…俺もだよ、##NAME1##」
深紅の瞳が彼女だけを見つめる。
「愛してる。俺が好きなのは君だけだ」
ユウタの姉が恥ずかしそうに俯くと、ジョシュアも少し照れたように笑った。
「ねえ、##NAME1##。いつか俺達も旅行しようね。
君が好きなところに、二人で行こう?」
うん、という返事を聞いて、ジョシュアは、楽しみだよ、と言った。
「さて。プリンセスはそろそろお休みの時間だね?
それじゃ、また電話するよ…あ、##NAME1##」
電話を切ろうとして、思い出したことがあった。
テオが彼女に言った言葉。『今宵、夢で会おう』と。
##NAME1##、と大好きな名を唱える。
「俺も、待っていて良いかな? 君が俺の夢に来てくれるのを」
end(Joshua ending)
ユウタから携帯を受け取る。
自分が選ばれるとは思っていなかったので、ジョシュアは少し驚いた。
「##NAME1##…本当に、俺でいいの?」
肯定の返事。やっと驚きが嬉しさに変わる。自然と笑顔になっていた。
「ありがとう、##NAME1##。あっ…」
ジョシュアは友人達の視線に気付く。中でも冷たい視線とぶつかる。
「提案者が勝つゲームって、面白くない」
「ご、ごめんね、アンリ」
「まあまあ。恨みっこなしってルールじゃないですか。気持ちは解りますけど。
あ、僕! プレイングカード持って来ましたので、負け組は負け組で仲良く遊びません?」
アルフレッドが嫌そうに呻く。
「負け組言うな」
「じゃあ、何して遊ぼっか?」
苦笑しつつ、ハルヤは話を前に進めた。
状況的に小道具を用いて遊ぶ方が良さそうだと思ったからだ。
「賭けポーカーならやってあげても良いけれど?」
氷のギャンブラーが命令に近い提案をする。
「良いですね! 何を賭けましょうか?」
ユウタは、えー、と不満を言う。
「怒ってるアンリとカードゲームなんかしたくないよー。絶対勝てないもん」
「ねえ。僕が一度でも君に負けたことがあるような言い方、止めてくれる?」
「やっぱ、めちゃくちゃ怒ってるー」
泣き顔になったユウタを見て、ジョシュアは少し笑ってしまった。
この場はシルヴァンがなんとかしてくれそうなので、
彼女を部屋に連れて行こうとした。
「あっ、おい、ジョシュア!」
アルフレッドは真剣な目で訴えた。
「テオのこと、彼女に必ず言ってくれよ」
「…そう、だね。解ったよ、レッド」
ギリシャ旅行のホテルはメネシス家にあるゲストルーム。
ウーティス寮の部屋の二倍近い広さ。
客人の多い家だから宿泊機能も兼ね備えているそうだ。
この家に入った時、広大な敷地、擦れ違う使用人の多さに、
ジョシュアは少し気が重くなった。雰囲気がランベール館に似ていたのだ。
父の死後、5歳から13歳になるまで暮らした、
母方の生家。グラント直系のその家は、
親戚――と言っても見知らぬ人ばかり――を集めたパーティが多かった。
母の兄で家長のネイサン・グラントを始め、誰もが親切に接してくれた。
けれど、常に自分は疎まれているという感覚は拭い取れなかった。
血筋では次の家長は自分になる。それを誰も望んでいない。そんな気がした。
愛情深い両親に育てられたせいか、
彼等を失って急に、自分の周りが寒々しく感じられた。
自分を抱き留めてくれる人はいなかったし、
その時には既に、素直に甘えられる年齢でもなかった。
長い間多くの人に囲まれながら、自分はずっと一人だった。
けれど、今は違う。
貴女が居る。
声を聞くだけで。貴女のことを考えるだけで。
貴女に優しく包まれているようで。
やっぱり、好きなんだ、と感じていた。
ベッドの上に座り、壁に背を預ける。
右手に持った携帯。貴女が俺の傍に居る。
「俺、みんなには悪いことをしてしまったね」
貴女を前にすると、不思議なほど優しい気持ちになっている。
「だけど、貴女が俺の名前を呼んでくれて嬉しかった。ありがとう」
彼女に礼を言うと、先程友達と交わした約束について話し始めた。
「レッドに頼まれたこと、先に伝えるよ」
片膝を少し立てる。左腕を乗せる。
「テオのこと、なんだけど。実は、彼には、婚約者が居るんだ。
相手は資産家の令嬢。メネシスの事業展開に必要な家だそうだ。
だから、レッドは君のこと、心配してたんだよ。
もし、万が一にでも、貴女とテオが惹かれ合ってしまったら、
二人とも苦しむことになるから」
ジョシュアが目を伏せる。ユウタの姉は、あの、と声を掛けた。
→学生時代のテオさんについて聞いても良いですか?
→ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね?
→大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。
○学生時代のテオさんについて聞いても良いですか?
学生時代のテオさんについて聞いても良いですか? と姉は言った。
「テオはさっき君が見た通りの人だよ。学生時代と変わってない。
すごく人気者でね、華やかな人だなって思ってたよ。
思ったより元気そうで良かったよ。
でも、顔立ちが大人っぽくなってたな、肖像画より。
生徒代表室に歴代の生徒代表の絵があるからね」
壁一面に飾られた肖像画。中で一番新しい絵が前年度の代表テオだった。
彼女に生徒代表室から電話する時、
テオの温かな視線に罪悪感を覚えていた時もあった。
今ではあまり気にならなくなった。
貴女の声を聞いている時は、貴女のことしか考えられなくなったから。
生徒代表室に居る時だけではない。
気が付くと貴女のことを想って、いつも幸せな気持ちになる。
「俺、そろそろみんなのところに戻るよ。学院に帰ったらまた電話するね。それじゃ」
○ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね?
ジョシュアさんのご両親も他に婚約者が居たんですよね? と姉は聞いた。
「うん。本人達の意思ではなく、周囲が決めた相手がね。
父と母は結ばれたから良かったけど、二人とも早くに亡くなってしまった。
無謀な結婚をしたから天罰が下ったんだって書かれたこともあったよ。
あ、俺はその記事を信じたわけじゃないから、心配しないで。
父と母は駆け落ちしたこと、後悔していないと思うんだ。
二人が歌っている姿は、本当に、幸福そのものだったから」
当時の光景が目に浮かぶ。幼い記憶の中で最もあたたかいものだった。
「あ、すまない。もう行かなくちゃ。アンリが荒稼ぎしてないか心配だし」
ジョシュアはクスクスと笑う。
先程ジョシュア以外のメンバーは、みんなで賭けポーカーをすると言っていた。
アンリさんはそんなに強いんですか、と姉は聞いてみた。ジョシュアは頷く。
「ああ。強いよ? ポーカーフェイスはお手の物だし。
強い手札がないのに、わざと笑ったりして、巧みに相手を誘導してくる。
アンリとプレイしていると、本当にぞくっとして面白いんだ。
俺は時々しか勝てないけど、君なら勝てるかもね?
いつかゲームしてみて欲しいな。それじゃ、行ってくるよ。またね」
○大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。
大丈夫ですよ。私が好きなのはジョシュアさんだけだから。と姉は言った
ジョシュアは、えっ、と言って目を大きくする。嬉しそうに微笑した。
「ありがとう…俺もだよ、##NAME1##」
深紅の瞳が彼女だけを見つめる。
「愛してる。俺が好きなのは君だけだ」
ユウタの姉が恥ずかしそうに俯くと、ジョシュアも少し照れたように笑った。
「ねえ、##NAME1##。いつか俺達も旅行しようね。
君が好きなところに、二人で行こう?」
うん、という返事を聞いて、ジョシュアは、楽しみだよ、と言った。
「さて。プリンセスはそろそろお休みの時間だね?
それじゃ、また電話するよ…あ、##NAME1##」
電話を切ろうとして、思い出したことがあった。
テオが彼女に言った言葉。『今宵、夢で会おう』と。
##NAME1##、と大好きな名を唱える。
「俺も、待っていて良いかな? 君が俺の夢に来てくれるのを」
end(Joshua ending)
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