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Marginal Prince Short Story
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2日目3:受け取れません 続編
○良いんですよ

良いんですよ、とユウタの姉は言う。
「ありがとう。サンベリーナが共に居てくれると癒されるよ。
童話の中でも傷付いたツバメを看病した心優しい姫だったものね。
姫のお傍に居ると胸があたたかくなるんだ。いっそ、このまま時が止まれば良いのに。
そうしたら、いつまでも姫と共に居られるのに」
テオは膝に乗せた小さな姫を見つめる。
「ねえ、サンベリーナ?」
革の小さな袋を見せる。
「やはり、このチューリップのネックレス、受け取って貰えないだろうか?
嫌になったら、いつでも捨ててくれて構わない。
私がこれをユウタに預けることだけ、許しておくれ」
ユウタの姉が何か言う前に、テオは言葉を続ける。
「すまない。今日はそろそろ戻るよ。
私が部屋に居ないと、誰かに知られるといけないし。
今日もサンベリーナと会えて良かった。どうもありがとう。
では姫、今宵もおやすみのキスをしても良いかな?」

→手を差し出す
→手を差し出さない


○きっとマリッジブルーなんですよ

きっとマリッジブルーなんですよ、ユウタの姉は言った。
「まりっじぶるー? 結婚は青なのかい?」
伝わっていないようだ。もしかしたら和製英語なのかもしれないと思い、
結婚を控えた人が気分が落ち込む症状のことですよと教えた。
「ああ、そういう意味なのだね、なるほど。姫、私はその、まりっじぶるーなの?」
そうかもしれません、と答えた。決して珍しいことではないと言い添えて。
テオは「そういうもの、なのかな」と呟いていた。
ところで相手の方はどんな人なんですか、と尋ねてみた。
「そうだね。私には勿体無いご令嬢だと思うよ。
でも、まだ笑った顔を一度も見ていない。私と居るのはさぞ苦痛なのだろうね。
ご令嬢もまた家に言われて婚約したのだろうから。
もしかしたら、あのご令嬢も…同じなのかもしれない」
そこまで言うと、テオはやや自嘲的に笑っていた。
「こうして口にしてみると、思った以上に苦しいだけの婚約だね。
この気持ちが、まりっじぶるーで、誰しも同じように不安に思うのなら、
私もしっかりしなくてはいけないよね。
すまない、サンベリーナ。弱音ばかり聞かせてしまって」
テオは携帯を持って、すっと立ち上がった。
「姫、励ましてくれてありがとう。もう少し前向きに考えられるように努めるよ。ではね」
笑顔を見せて、電話を切る。
画面から姫が消えると、ふう、と息を吐いた。
「青…なのかな、私は」


○二人とも望んでない結婚なんて…

ユウタの姉は思わず、二人とも望んでない結婚なんて…と言葉を零す。
海運王の子息は力なく話し始める。
「私もね、以前、サンベリーナと同じようなことを姉上に言ったんだ。
けれど、姉上は行ってしまった。姉上も同じように石油王の家に嫁いだのだよ。
こればかりはメネシスに生まれた者の逃れられない定めなんだ」
月桂樹の裏庭に、さやさやと風が吹く。葉の香りに髪を撫でられる。
「心配してくれてありがとう。優しいのだね。
さすがはあの王子達が愛する姫だ。ねえ、サンベリーナ?」
革の小さな袋を見せる。
「やはり、このチューリップのネックレス、受け取って貰えないだろうか?
嫌になったら、いつでも捨ててくれて構わない。
私がこれをユウタに預けることだけ、許しておくれ」
ユウタの姉が何か言う前に、テオは言葉を続ける。
「すまない。今日はそろそろ戻るよ。
私が部屋に居ないと、誰かに知られるといけないし。
今日もサンベリーナと会えて良かった。どうもありがとう。
では姫、今宵もおやすみのキスをしても良いかな?」

→手を差し出す
→手を差し出さない
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