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■シュヌーシア寮
■貴方の居ないクリスマス 続編
「ああ。帝王学を受講して本当に良かった!」
緩やかな波のある金髪が、オレンジ色の太陽を浴びている。
「来週も楽しみにしているね。クラウスの活躍振りを」
隣を歩く生徒が息を吐いた。
「テオ。毎回言うようだが、授業は教授のほうを見て受けてくれ」
二人の影が肩を並べて歩いている。
本日の授業が全て終わり、生徒代表のクラウスと高等部二年のテオは、寮へ戻るところだった。
12月上旬の空は既に暮れ始め、宵闇が近いことを示していた。
「大体、お前は授業を真面目に」
「あっ、バロウズ!」
クラウスが小言を言いかけた時、テオが木の上に声をかけた。
そこには月桂樹の傍らで、梯子の頂上にまたがっている男が居た。
カーキ色の作業着に、同じような色のハンチング帽を被っているその男は、
首に金色のクリスマスモールを掛けていた。二人の生徒を見ると、帽子のつばを軽く持ち上げた。
「おや。テオ様、クラウス様。高いところから失礼致します」
テオはキラキラとした眼差しで見上げる。
「今年も月桂樹をクリスマスツリーに変身させてくれているのだね!」
はい、と穏やかな笑顔を見せた男が、聖アルフォンソ学院の森番を務めるバロウズ。
年齢は二十代後半から三十代前半だろうが、生徒に対して、とても礼儀正しかった。
顎に生やした無精髭も彼には似合っており、惰性ではなくファッションのひとつに見えた。
早朝ランニングを日課としているクラウスは、
その時、木々の手入れや掃除をしているバロウズを度々見かけるので、
職員の中ではよく言葉を交わす間柄ではあったが、ツリーの飾り付けに関しては初耳だった。
「ふうん。ツリーの飾り付けはバロウズがやっていたのか」
「はい。月桂樹に関することは全て森番の役目ですので」
「おや。知らなかったのかい、クラウス。私は知っていたよ!」
えへん、とテオは胸を張る。
「毎年バロウズが月桂樹をクリスマスツリーに変身させてくれているんだ。
月桂樹のクリスマスツリーを見ると、
今年もクリスマスの時期が来たのだなあと思って、ワクワクしてくるよ」
「そう言って頂ければ幸いです。ありがとうございます、テオ様」
「こちらこそ、毎年美しいツリーをありがとう、バロウズ。完成を楽しみにしているね」
「はい。それでは失礼致します」
森番と別れ、テオとクラウスは再び寮へ向かって歩く。
風が吹くと落ち葉が舞った。落葉樹の傍には黄色と茶色の絨毯ができている。
「楽しみだね、クリスマス」
テオは笑顔を見せていたが、クラウスはそうではなかった。
「ハロウィンをやったばかりだと思っていたが、もうクリスマスか」
「今年のクリスマスパーティーをどうするか、そろそろ決めなくてはいけないかな。
思いきり楽しいパーティーにするからね!」
「ほどほどにしてくれ。お前の考えるパーティーは派手過ぎるくらいだからな」
「そう?」
「そうだろう。去年などお前はパーティーだけでは飽き足らず、
クリスマスの夜、わざわざサンタの格好までして、
寮生全員にクリスマスプレゼントを置いて回ったりしただろう?」
「ああ、それはね。やはりクリスマスと言えばサンタさんだし。
けれど、今年は去年以上に最高のクリスマスにしなくては!」
「何故だ?」
「何故って」
テオは笑顔を見せた。
「クリスマスだもの。『No Fun No Christmas』だよ!」
テオはクラウスの背中に回る。
「ささ、早くサロンに帰って、放課後のブレイクタイムにしよう!」
「お、おい、押すなっ」
→
■貴方の居ないクリスマス 続編
「ああ。帝王学を受講して本当に良かった!」
緩やかな波のある金髪が、オレンジ色の太陽を浴びている。
「来週も楽しみにしているね。クラウスの活躍振りを」
隣を歩く生徒が息を吐いた。
「テオ。毎回言うようだが、授業は教授のほうを見て受けてくれ」
二人の影が肩を並べて歩いている。
本日の授業が全て終わり、生徒代表のクラウスと高等部二年のテオは、寮へ戻るところだった。
12月上旬の空は既に暮れ始め、宵闇が近いことを示していた。
「大体、お前は授業を真面目に」
「あっ、バロウズ!」
クラウスが小言を言いかけた時、テオが木の上に声をかけた。
そこには月桂樹の傍らで、梯子の頂上にまたがっている男が居た。
カーキ色の作業着に、同じような色のハンチング帽を被っているその男は、
首に金色のクリスマスモールを掛けていた。二人の生徒を見ると、帽子のつばを軽く持ち上げた。
「おや。テオ様、クラウス様。高いところから失礼致します」
テオはキラキラとした眼差しで見上げる。
「今年も月桂樹をクリスマスツリーに変身させてくれているのだね!」
はい、と穏やかな笑顔を見せた男が、聖アルフォンソ学院の森番を務めるバロウズ。
年齢は二十代後半から三十代前半だろうが、生徒に対して、とても礼儀正しかった。
顎に生やした無精髭も彼には似合っており、惰性ではなくファッションのひとつに見えた。
早朝ランニングを日課としているクラウスは、
その時、木々の手入れや掃除をしているバロウズを度々見かけるので、
職員の中ではよく言葉を交わす間柄ではあったが、ツリーの飾り付けに関しては初耳だった。
「ふうん。ツリーの飾り付けはバロウズがやっていたのか」
「はい。月桂樹に関することは全て森番の役目ですので」
「おや。知らなかったのかい、クラウス。私は知っていたよ!」
えへん、とテオは胸を張る。
「毎年バロウズが月桂樹をクリスマスツリーに変身させてくれているんだ。
月桂樹のクリスマスツリーを見ると、
今年もクリスマスの時期が来たのだなあと思って、ワクワクしてくるよ」
「そう言って頂ければ幸いです。ありがとうございます、テオ様」
「こちらこそ、毎年美しいツリーをありがとう、バロウズ。完成を楽しみにしているね」
「はい。それでは失礼致します」
森番と別れ、テオとクラウスは再び寮へ向かって歩く。
風が吹くと落ち葉が舞った。落葉樹の傍には黄色と茶色の絨毯ができている。
「楽しみだね、クリスマス」
テオは笑顔を見せていたが、クラウスはそうではなかった。
「ハロウィンをやったばかりだと思っていたが、もうクリスマスか」
「今年のクリスマスパーティーをどうするか、そろそろ決めなくてはいけないかな。
思いきり楽しいパーティーにするからね!」
「ほどほどにしてくれ。お前の考えるパーティーは派手過ぎるくらいだからな」
「そう?」
「そうだろう。去年などお前はパーティーだけでは飽き足らず、
クリスマスの夜、わざわざサンタの格好までして、
寮生全員にクリスマスプレゼントを置いて回ったりしただろう?」
「ああ、それはね。やはりクリスマスと言えばサンタさんだし。
けれど、今年は去年以上に最高のクリスマスにしなくては!」
「何故だ?」
「何故って」
テオは笑顔を見せた。
「クリスマスだもの。『No Fun No Christmas』だよ!」
テオはクラウスの背中に回る。
「ささ、早くサロンに帰って、放課後のブレイクタイムにしよう!」
「お、おい、押すなっ」
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