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Marginal Prince Short Story
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■ソクーロフ×アイヴィー
■背景:プレゼント
■カーシャ様、リクエストありがとうございました!
学院の専属ドライバーは、学院の保健室の先生と旧市街で晩メシを食べてきた。
誘ったのはドライバーで、「そろそろ引き上げるか」と言ったのは先生。いつものことだ。
先生はドライバーと違って、学院のキャンパス内に住居が与えられている。
教職員用の宿舎『メルキュール館』が先生の帰る場所。
ドライバーは先生を車で送り届けに来たところだ。

聖アルフォンソ学院、正門前よりちょい手前。
夜は、なんとなくここで車を停めてしまう。
正門に居る門番からは死角になる、この位置に。
運転席の窓からは、高い壁の向こうに月桂樹の館が見える。空はとうに真っ暗闇だ。

助手席に座っていた男が、ドアを開ける。夜風と入れ違いに、男は車外に出た。
ここまで送り届けに来たドライバーは、ハンドルに両腕と顎を乗せる。
正門に向かって歩いていく後ろ姿。
黒いコートの背に、一つに束ねた彼の長い髪が見える。

――何してんだか。

意味のない時間だ。
先生が正門の向こうに消えてくまで、見送るなんて。
ドライバーは身体を起こして、ハンドルを握った。

「俺も、かーえろっと」

真っ直ぐでなだらかな帰り道。学院の周囲に人影はない。
市街地に近付くに連れて、街の明かりや人通りが増えていく。
それを横目に見ながら、ドライバーは海沿いの道に入った。


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