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Marginal Prince Short Story
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■王子達×姉貴
君へ、バレンタインコール 続編、零れ梅 参照

■ジョシュアとホワイトデー■

……あっ、ごめん、ユウタじゃなくて。

いや、これ、ユウタの携帯だから、間違えてしまっても仕方がないよ。
俺の方こそ、すまない。眠っていたのに起こしてしまったんだね。
また今度、電話したほうが良いかな?

でも、君、パジャマを着てるし、ベッドの中に居るみたいだから。

あ、ううん。そのままでいいよ。
この時間に電話を掛けると、パジャマ姿の君に会えるんだね。覚えておこうかな?

ごめん、ごめん。今度はもっと早い時間に電話するね。

あのね、今夜はホワイトデーだから、電話したんだ。
日本では、男性から女性に、感謝と愛を伝える日なんだよね?

うん。バレンタインの時にも電話したけど、
君への想いは何度伝えても足りないから。

ありがとう。
俺もだよ。できるなら、いつも君の傍に居たい。
だけど、もう少しで、それも現実になるんだね。
卒業したら、ロレートで、君と一緒に暮らせるんだ。
早く君に会いたいよ。

おやすみ。夢の中で待ってるよ。


■アルフレッドとホワイトデー■

ハロー! 元気にしてるかい?

俺? 元気に決まってるじゃん。君と電話してんだからさ?
今日はまず、コレ言わせてっ。

ハッピーホワイトデー。
俺はこれからも君だけのヒーローで在り続ける。
君はこれからも俺だけのヒロインで居てくれよなっ!

サンキュ! あのさ、来週の土曜日なんだけど、シチリアに遊びに行かねえ?
うちのじいさんがさ、急に俺のバースデーパーティを開いてやるとか言い出してんだよ。
で、彼女と友達も連れて、遊びに来いって。
まあ、じいさんがハルヤに会いたいだけなんだよ、どーせ。

あのじいさん、最近はハルヤのことを、自分の孫みたいに可愛がってんだぜ?
俺を飛び越して、ハルヤに電話してたり、
手紙とか、昔の資料とか、ドッカドカ送り付けてるみたいなんだよ!
あんたの孫は、この俺様だっつーのっ!

あっ、つい熱くなっちまった。君に怒ってどうすんだよな、俺。
ごめんな? じいさんの話はクシャクシャポイして、っと。
つーことで、俺と一緒に、シチリアに行ってくれる?
君が嫌なら、全然、他の場所で良いんだ。
俺は、君に誕生日を祝って貰えるんなら、シチリアでも、ニッポンでも、
例え世界の果てだって飛んで行くぜ!

シチリアに行ってくれんの?
やった! 今年は最高のバースデーになりそうだぜっ!

え、欲しい物? そりゃあ、色々あるけどさ。
イイの? 俺が欲しいモノ、言っちゃって?

んじゃ、言わせて貰うよ。俺が欲しいプレゼントは、

君のキス。決まってんだろ?


■アンリとホワイトデーM■

アロー。今、話せるかな?

1か月前、電話で話したこと、覚えてる?

そう、株の話。
君が選んだ株を、僕が買う。3月13日の値と比較して、
株価が上がっていれば君の勝ち、下がれば僕の勝ち。
敗者は、勝者の言うことをひとつ聞く、シンプルなゲーム。

君が選んだM社の株、あれから、急騰したよね。
こんな時期に、新商品の発表なんて、異例中の異例だよ。
君はインサイダーなのかと疑ったくらいだ。

僕ね? 君が選んだ株、たくさん買っておいたの。
メルシー。君のおかげで、結構なおこづかいになったよ。

本当に君は、僕に幸運を運んでくれる。流石は僕の天使だ。

約束通り、君の願い、叶えさせて?
僕、今日は、とても機嫌が良いから、多少の無理なら特別に聞いてあげる。

ねえ。君は、僕に、何をして欲しい?

遠慮しないで、言ってよ。今日は、ホワイトデーなんでしょう?


■アンリとホワイトデーS■

僕と君でやった、ギャンブル、忘れてないよね?
君が選んだS社の株、大暴落したんだけど。どうしてくれるの?
君は、僕の天使だけど、勝利の女神ではないんだね。
あーあ、がっかりだな。多めに買って、失敗だったよ。

損害額? それ、聞きたいの?
止めておいたほうが良いと思うよ? 君の想像を遙かに超えているから。
それじゃあ、お楽しみの罰ゲームの時間だね。僕が決めた罰、受けて貰おうか?

罰は何かって? 良いよ、教えてあげる。
では、まず、このドア、開けてくれる?

気付かなかった? 本当に君はどうしようもなく鈍い人だね。

僕、今、君の家の前に居るの。


■シルヴァンとホワイトデー■

『こんばんは! 夢でお会いして以来ですね!』

あれっ? 面白くなかったですか、今の。
日本では、爆笑間違いなしのギャグだって聞いたんですけど。おかしいですねえ。

ええっ? ちょっと古いギャグなんですか? もう?
ああ、日本って流行のサイクルが早いですからね。すみません、僕の勉強不足でした。

そうそう、今日はお礼のお電話なんですよ。
貴女からのクッキー、届きました。ありがとうございます。
まさか、逆チョコのお返しに、逆ホワイトデーをして頂けるなんて!
ヤマトナデシコは義理堅いですね。僕、感動しちゃいましたっ!

それでですね! 僕、もう、じっとしていられなくなって♪
ジャーン! 今、成田空港です!
ほら、あれが今乗ってきた飛行機ですよ。カッコイイですよね!
ということで。今から二時間後に、池袋で待ってますから♪

待ち合わせ場所は、これからメールする、執事喫茶の前です。
一か月前から予約済みですので、遅れないようにお願いしますね?
日本では今、執事が大ブームと聞いたので、僕もすごく興味があったんですよー♪

え? ああ、まあ、確かに僕達の寮には本物のバトラーが居ますけど……
池袋って、秋葉原に次ぐ、聖地じゃないですか!
アのお店も本店は池袋ですし! ね? 一緒に行きましょう?
ああ、そうこうしている間に、予約の時間が近付いてきちゃいますよっ。
じゃ、電話は一回切りますね。現地に着いたら、またメールします。
今日は一生忘れられない、ホワイトデートにしてみせますから、覚悟しておいて下さいね?

では、二時間後、貴女に会えるのを楽しみにしています、お嬢様♪


■ハルヤとホワイトデー■

こんちは。今日はね、植物園から電話してるんだ。
君にね、見て欲しい景色があって。これだよ。

うん。満開の梅が、散った跡。
ちょっと、がっかりさせちゃったかな?
でもね、これ、ちゃんと名前があって、零れ梅っていうんだ。
枝から散り零れた花のこと、そう呼ぶんだって。
俺がまだ小さい時にね、じいさまが言ってたんだ。
「枝に咲く梅も、零れ梅も、梅は梅。どっちも可愛くてしょうがない」って。

あの時は、普通に梅の話だと思ってたんだけどさ。
今になって考えるとね。じいさまは、兄様と俺のこと、言ってくれてたのかなって。

梅ヶ枝の姓を持つ兄様も、その姓を持てなかった俺も、
梅は梅で、変わらない。二人とも可愛い孫だよって。そういう意味だったのかな?

ごめん。俺、君には励まして貰ってばっかりだね。
なんか、君にはいつも甘えちゃってる気がする。
あの、こんな俺で、嫌にならない?

ほんと? 嫌だったら、ちゃんと言ってね? 俺、直すから。
俺だって、君に見合う男になりたいって思うんだよ?
君と、ずっと一緒に居たいから。

や。そんな、「そのままでいい」なんて言われたら、俺、
もっと、君に甘えちゃうじゃん……


■エンジュとホワイトデー■

ああ、ユウタから聞いた。
3月14日はチョコレートのお返しをする日なのだと。

それで、お前の部屋のベランダまで来たのだが。
窓の鍵を開けてくれないか? ここは寒い。

お前は、あたたかいな。


■アイヴィーとホワイトデー■

そんなにパスタを褒めてくれても、もう何も出ないって。
いやー。けど、ホワイトデーだからって、うちまで来てくれるとは思わなかったよ。
だから、この前、俺の休みがいつかって聞いてたんだね?

迷惑なんかじゃないよ。嬉しいに決まってんじゃん。
こんな辺境の島まで、はるばる会いに来てくれて嬉しいよ。
でも、親御さんには何て言って出て来たの?

え、ウーティスに?
それでよく許してくれたなあ、野郎ばっかの寮に泊まろうとするなんて。

あいつら、この島では『プリンス』なんて呼ばれてっけど、
中身はただのガキで、女のコに飢えたオオカミなんだから油断してちゃダメだよ?
キミ、人気あるし、可愛いんだからさ。
アルフレッドとか、シルヴァン辺りは特にキケンだし。あと白衣着てる人もアブナイから。

それに、キミはもう……
あ、あのさ。この前、君が言ってくれたことだけど。
ホントに、俺でイイの?

え? 「私でイイんですか」って?
イイに決まってるよ! 俺が好きなのは、キミだけなんだから!

目の前でそう言って貰えると、照れるけど、安心したよ。ありがと。
キミは知らないと思うけど、1か月前にプロポーズした時、
電話越しだったのに、俺、心臓バックバクだったからね?

マジで、長い人生の中で、いっちばんキンチョーした。
俺、あの時、携帯をテーブルに置いてたのは、手が震えて、持てなかったからだからさ。
あ。こんな情けない話、聞きたくなかった、かな?

そう? 良かった。なんか、キミの前では俺もただのガキだね。
俺さ、お仕事してる時は、それなりに司令官っぽくしてなきゃいけないし、
マジプリどもの前では、お兄さんっぽくしてなきゃダメじゃん?

この島に来てから、別に無理してるつもりなかったんだけど。
やっぱり、プレッシャー、っていうか、ちょっと背伸びしてたのカモって、最近思ってさ。
俺、キミと一緒に居る時が、一番好きなんだって解ったから。

あっ、そうだ。今度、会えた時に渡そうと思ってたんだけど、
今、渡しちゃおうかなっ。ちょっと待ってて。

キミに似合いそうなの選んだんだ。エンゲージリングだよ。
俺が付けてあげてもイイ?

ヨカッタ。やっぱり似合うね。コレがイイって思ったんだ。

大好きだよ。
キミのこと、一生、俺が守るから。


■ソクーロフ博士とホワイトデー■

入りたまえ。

やあ。よく来たね。どうだい? 携帯越しではなく、肉眼で見る保健室は?

薬の匂い? ああ、成程。嗅覚で感じるのは初めてというわけか。
そうだね、この部屋は教室や寮とは違う、独特の香りがある。
正確には消毒用エタノールの香りだ、器材を殺菌する為のね。
この香りを快いと感じる人、不快に感じる人が居るが、君はどうかな?

そう。君の肌に合って良かったよ。
この匂いだけで拒否反応を示す生徒も居るからね、良い香りなのに。

せっかくここまで来てくれたんだ。少し、保健室の中を見てみるかい?
便宜上、保健室と呼ばれているが、一室ではなく、複数の部屋を持った建物だからね。
先ず、ここは診察室と呼んでいる部屋だ。定期健診の身体測定もここで行っている。
怪我の治療など、ごく日常的に使われる場所だね。私が普段居るのは、その椅子だ。
次は、隣の部屋に行こうか。

ここがカウンセリングルームだ。君も携帯越しでは、来たことがあるだろう?
君だけでなく、生徒達と面談する際も、こちらを使っている。
一見、普通の部屋と変わりがないように見えるが、
カウンセリングを円滑に行えるよう、様々な工夫や、仕掛けが施されている。

ん? 詳しくは言えないよ、君でもね? これは企業秘密というものだ。
トリックを明かしてしまっては、今後のカウンセリングに差し支えるからね。
では、二階に案内しよう。

君は初めて見る部屋じゃないかな? 二階は全室ベッドルームになっているんだ。
今日は誰も使っていないよ。入ってみるかい?

ここは、症状の重い生徒を休ませたり、寮から隔離する為に使う部屋だ。
学院で風邪が流行してしまった時などは、一時的だが、満床になる場合もあるよ。
まあ、シュヌーシアの別荘のようなフロアだね。あの子達はここの常連だから。

ところで。立っていないで、座っていいんだよ、ここに。
日本からの長旅で疲れているだろう?
顔を見れば解るよ、君はいつもより少し疲労している。
遠慮せずに、私の隣に座りなさい?

良い子だね。医師の言うことは、素直に聞いたほうが身の為だ。
身体的には疲れているだろうが、気分は悪くないんじゃないかな?

脈は、少し早いようだね。緊張しているのかな?
ベッドの上で、私と二人きりになったことで、途惑っている?

嘘は良くないよ。前にも言った筈だ。私は、人の心を映す鏡なのだと。
君が保健室の内部を見てみたいと心の中で願っていたから、私は案内したんだよ?
そして、二階に来た時、君の願いは、次のものへと変わった。
私は、君の願うまま、君の手に触れた。私の言っていることは、間違っているかい?

その紅潮した頬、美しいよ。
さあ、顔を上げて、私の目を見て、言ってごらん?
君は、保健室に、どんな用事があって、来たのかな?

私に言い当てて欲しいのかい?
仕方のない子だ。では私が、君の願いを口にしよう。

君が持って来た、ホワイトデーのプレゼントは、君自身、なんだね?


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